店長ブログ BLOG
史上最高のヒールターン
久しぶりに最高のプロレスが見られる。だからどうしても語っておきたい。
もちろん、朝倉未来VS青木真也のことだ。
当日、会場に行こうかとも考えたが、ABEMAのPPVを購入して観戦することにした。
どっちが勝つか?そんなことはどうでもいい。
勝負論は競技でやればいい。メインイベントのシェイドゥラエフ VS AJ・マッキーは格闘技としては素晴らしいカードだし、誰が強いかを観たければUFC一択だろう。だけど競技や勝負論に僕は興味はない。
プロレスは世間に対するアンチテーゼという特異な存在であり続けてきた。
退屈な世界、息苦しい社会、つまらない日常、その真逆を最高のプロレスは僕たちに提供してくれる。
脳をフル回転させられ、感情を揺さぶられ、生き方を強烈に問いかけてくる。
勝者が全てを得るはずの世界で、負けた時ほど輝いてしまい、負けた時ほど観客の記憶に残る。それをできるのが本物のプロレスラーの定義だと思う。
朝倉未来は負けても価値が落ちない。
青木真也は負けた試合が一番面白い。
理由は簡単だ。2人とも人生のドラマを観客に提供しているからだ。
最高のプロレスでしか提供できないもの。
生き様をかけた果し合い。
狂気のせめぎ合い。
平日にも関わらずチケットはほぼ完売。その時点でRIZINは勝者となった。
平日だろうが何だろうが、この試合を見なければ一生後悔する。そんな熱狂を作り出した。
観客はどちらが勝つか見に行くのではない。
得体の知れない何かに引き寄せられているのだ。
そして、熱狂の中心にいるのが僕と同世代のPRIDEのリングに集結していたファンだろう。
青木真也が日本MMAの現在進行形の主役と戦うという構図に、あの日の熱狂を重ね合わせているのだろう。
そして、青木真也が朝倉未来に生き様と狂気で圧勝することを無意識に期待している。
交わることのない2人が交わって、最高のプロレスを見せてくれる。朝倉未来にとっても、青木真也にとっても、おそらくこの試合がファンの記憶に残り、語り続けられる最高傑作になるだろう。
この試合のもっとも面白いところは、朝倉未来がヒールになっていることだ。
現在の日本MMAの主役である朝倉未来の復活を、すべてのファンが期待するべき試合だが、この試合だけは青木真也を無条件に応援しているファンの数が試合が近づくにつれて増えている印象だ。ずっと日本MMAのアウトサイダーでありヒールだった青木真也が、おそらく最後の試合でベビーフェイスになっているというパラドックス現象が面白い。
僕はこの試合が決まってからずっと青木真也を応援して追ってきた。
青木真也はここぞとばかりに発信しまくり、この試合を通してこれまでの格闘技人生に意味付けしている。
それに対し余裕を滲み出し沈黙を貫く朝倉未来。
頼むぞ、青木!朝倉未来に勝って泣かせてくれ!僕世代のファンはみんなそう願っている。
9月10日。超満員で埋め尽くされた平日の京セラドーム。
朝倉未来VS青木真也
この試合が最高のプロレスであるならば、すでに勝負は決まっている。
史上最高のヒールターンをやってのけた朝倉未来が勝者だ。
最高のプロレスはいつも裏切りで終わる。そう考えると朝倉未来は現代最高のプロレスラーということになる。
